「牛が山を駆ける牧場」奮闘記

新米 牛飼いの日常をお届け

「さち」をガリガリに痩せさせてしまったこと

3月31日のこと、、、

我が家に子牛が生まれました!

生まれてすぐさまお母さん牛のおっぱいを飲んでくれました。元気な子牛です。

 

お母さんの名前は「さち」といって、血統の良い牛です。

隣町の畜産家が廃業する際に市場に出していたのを我が家に迎え入れました。

この牛に今回、私たちはヒドイことをしてしまったのです...

反省のためにブログに残しておこうと思います。

 

まずこの写真を見てください↓

お気づきでしょうか。

ガリガリです。

よくこんな状態まで牛を追い込んだな...

 

出産の数週間前からエサ食いが悪いな~とか、痩せてるな~とかそういう実感はありました。

しかし妊娠しているせいでお腹が大きく見えたり、気ぜわしいために飼い手の方の感度が鈍ったりしていてきちんと手を打てていなかったのです。

出産後、いよいよエサを食べないことで危険にやっと気づきました。

慌てて獣医さんを呼び、栄養剤などを点滴してもらっていたのが前掲の写真です。再掲します↓

 

獣医さん曰く、「よく無事に子供を生めましたね」というくらいコンディションが悪い。これで子牛におっぱいをやるようにしたら母子ともに共倒れになりかねないので、かわいそうだけど親子を引き離しました。

 

母牛に関してはお腹の調子を整える薬を与えながら良い食事を与えます。

チモシーという高級牧草すら食べないので困り果てていましたが、醬油かすが成分の「ソイメント」という畜産資材を振りかけると口をつけることに気づきました。

少量のチモシーの上にソイメントを振りかけ、食べ飽きたらまたソイメントを振りかけて、、、というように、とにかく牧草を食べてくれるように手をかけます。

こんな状態が数日続いて、「この牛を死なせてしまうんじゃないか」と心を乱していました。でも何とか回復してくれて、いま少しずつ太ってきてくれています。

まだガリガリなのに出産後15日も経たないうちに発情して、生命力に驚いたことです。生き延びてくれてありがとう。

 

一方、子牛の方は,,,,

哺乳瓶でミルクを与えますが飲まない!

食欲がないのかな?とも思いながら脱水症状にならないように経口補水液だけ与えて数日様子をみますがやっぱり飲まない...

もうあかん、強制哺乳や。注射器で喉の奥に流し込もう。

こうして無理やり飲ませて様子を見ていましたが、一つ前に出産した母牛と仲良くなっておっぱいをもらうようになりました。

元気が出て飛んだり跳ねたりし始めてくれたのでひと安心...

引き続き強制哺乳はつづけつつ成長を見守っていきたいと思います。

 

いくら忙しいからといって、こんな風に痩せさせたらあかんやろ~と1か月前の自分をシバキたい。未熟さが恥ずかしい。

一方で、繁殖成績をまとめたら結構いい感じにもなっていまして,,,それはまた別途ブログに書きたいと思います。