「牛が山を駆ける牧場」奮闘記

新米 牛飼いの日常をお届け

牛にたいしての、ちょっとした工夫

息子は牛舎にいるネコをすごく好いています。

このネコはとても太っていて、人懐っこい子です。

犬みたいに足元に来てゴロンとしたり、腹をすぐに見せてきたりします。

犬のウェンディー君とも仲良しです。

ひょっとしたら自分のことを猫だと思っていないのかもしれません。

人間から見ると、どこからどう見ても猫なのですが!

 

ここからが本題です。

先日、我が家の4~5か月齢の子牛たちを「小学生ゾーン」に移しました。

↓詳しくはこちらの記事で。

目的としては一頭一頭の食べた量を適切に管理し、より太らせるということです。

しかしながら、これまで自由に動き回っていた環境からつなぎっぱなしの環境に変えたせいかエサの食いが悪い...

その様子を観察していた奥さんが言いました。

「自由に動き回れるようにしたらエサもっと食べるようになるんじゃない?」

たしかに...前にここにいた別の牛たちは繋ぎっぱなしでもガツガツ食べてくれていましたが、この子達は別の気持ちかもしれません。早速対応をとります。

 

まず、つないだ状態から解放してあげました。早速 牛どうしのドツキアイが始まります。元気いいね!

 

いま頭を突っ込んできているところから餌箱のほうに乗り出してくるのです。

ここをふさいでやらなくてはなりません。

 

木材を切って隙間を狭めます。この程度の大工仕事は簡単に出来るようになりました。

簡単に書きましたが30分くらいかけて、牛を見ながら大工仕事をしています。

牛の観察で気づいたことがあります。

いつも使っているエサ箱に牧草がたくさんあるのに、壁に張り付いたクズクズの細かい牧草を好んで食べているのです。

この牛たちは細かいクズクズの牧草が好きなのかもしれない!

そしたら、「アレ」をこの子達に与えようではないか...

 

これはカッターという機械です。牧草を細かく切って牛が食べやすい長さにしてくれます。このカッターを使った細断の際に、こんなクズクズのものが落ちてくるんです↓

これまでの経験ではこの手のクズクズの草は若い牛たちに好まれない印象でした。

なので、こういった草は妊活中の親牛に与えていたのです。

これを先ほどの子牛たちに与えてみました。

好んでモリモリ食べてくれています!

牛の好みを把握して適切な手を取ることができました。こういう瞬間、シビレます。

これから優先的にクズクズのエサを与えることにしよう...!

 

同じ牛舎で同じようにエサを与えていても、少しの工夫で牛の太り方は変わってきます。牛飼いの先輩からはこう助言をもらっています:「エサを与える時間は短くできるよう工夫して、観察の時間を増やすことが大事」。

今日のような成功体験を積んで、いい牛飼いになっていきたいです...!