「牛が山を駆ける牧場」奮闘記

新米 牛飼いの日常をお届け

子牛がうまれたよ

今日、子牛がうまれました!

こんな死ぬほど寒い日を選ばなくても良いのに!

無事に生まれてきてくれてありがとう。

 

朝から母牛の様子がおかしかったのですが、私は事務仕事が多くてテンパっていて、牛舎の様子を昼間に見に行くのをすっかり忘れていたのです。家でコタツに入りながら事務作業をしていました。

 

時間は14:30頃。午後の世話を始めようと奥さんが牛舎に行きました。

ところが5分もしないうちにドタドタ走りながら家に帰ってきたのです。

 

「わたる~(私の名前)!足が!足が出てる!生まれるで!」

 

服をすぐに着替えて牛舎に向かいました。

座り込んでいる「ほこみ」ちゃん。

確かに足が出ている!

この「ほこみ」ちゃんは初めての出産。

母牛自身もまだ成長期で体が大きくなりきっていません。

つまりツルっと子牛が産まれにくいということです。

 

しかも、子牛のヒヅメのサイズが何かデカい気がする...

自然に生まれるのを待つのではなく、引っ張ることに決めました。

 

しかし一人ではとても引っ張り出せない...

牛が力むのと同時に引っ張るわけですが、パワー不足です。

 

「奥さん~!、手伝って~!」

 

一緒に引っ張ります。

一人でやるのと二人でやるのではまるでパワーが違います。

半分くらい出てきました。

 

さらに引っ張って、無事に出産完了!

しかし風が吹きすさんで、気温もものすごく低い。寒いのです。

「ほこみちゃん」も出産で疲れたのか横たわったままで、子牛をなめようとしません。

このままでは子牛が凍死してしまいます。

人間が母牛の代わりをしなければいけません。

ハロゲンライトで温めながら、タオルで濡れた体をふきとってあげます。

寒さにブルブル震える子牛。学校帰りの息子が牛舎の外から観察していたので、「手伝って~」と言って温める係を任せます。

今度はタオル係を頼みます!よく働いて偉いね!

あんまり震えるもんだから心配になって布団までかぶせたりして...

 

子牛が十分に乾いて体がぬくもって、今度はミルクが飲みたくなりました。

しかし母牛は子牛の世話をせず遠くに行ってしまった!

牛舎の扉が壊れているので遠くの方にいってしまうのです。

ああ、また育児放棄系か、、、

子牛は子牛で私を母牛だと思ってミルクちょうだい~と寄ってきます。

ペロペロ...

 

勢いあまってズボっ!

奥さんと一緒に人口哺乳です。

人口初乳という、免疫のつく成分が入った特別なミルクを与えます。

この粉ミルク、一本5000円くらいして高いのよ!

 

これを飲んでくれたあら一安心。

子牛の居場所を温かくしてあげていったん終了です。

 

ドタバタしましたが何とか無事に生まれてくれました。

「ほこみ」ちゃん、ありがとう!

あとは育児をするようになってくれたらうれしいかな...