「牛が山を駆ける牧場」奮闘記

新米 牛飼いの日常をお届け

1年間の平均分娩平均間隔を計算しました→12.4か月でした!

牛飼いにとって目指すべき指標の一つに「1年1産」があります。

「1年1産」とは、母牛に1年に1頭の子牛を産んでもらうということです。

ちゃんと栄養管理をして、母牛に寄り添った飼育をしてあげれば達成できる(と言われる)指標ですが、これがなかなか難しく、それゆえに「目指すべき指標」と言われます。

 

一昨年は種付けに非常に苦しんで、3~4回の人工授精が平均的で、牛によっては6回も人工授精をして何とか妊娠させる、ということをやっていました。ちなみに我が家では6回の人工授精で妊娠しなければお肉になってもらうコースになってしまいます(汗)。

↓一昨年、人工授精6回目で妊娠してくれた「さつき」ちゃん。先日流産騒ぎがありましたが、もう一度 獣医さんに診てもらって妊娠していることを再確認しました。

↓人工授精を8回頑張ったけど妊娠せずに、お肉になってもらった「ふじ」

一昨年は苦しんだのですが、昨年はどの牛も結構リズムよく妊娠してくれて、「あれ、これ一年一産いけてんちゃう?」となんとなく思っていました。

 

そこで、まだ一頭妊娠確定していない牛はおりますが、来るべき発情が2回スキップできていますので妊娠しているとみて、すべての母牛で平均分娩間隔を計算しました!

牛によって凸凹ありますが、平均月数は12.4か月とほぼ一年一産に近い形になりました。牛飼いとして一昨年から大きく進歩したのではないかと思います(^^)。

 

なぜこれだけ繁殖成績が改善できたのか、自分でも理由ははっきり分からない(汗)のですが、おそらくこうだろうという仮説だけは立てておこうと思います。

 

仮説①:放牧場での生活が牛の健康につながった

放牧場で牛たちは自由に歩き回って、自分たちで心地よい場所を見つけて寝転がります。ひなたぼっこをしたり、反芻したり、、、青草を食べたり、、、そして時には雨に打たれてずぶぬれになったり、、、牛舎でずっと閉じこもっているのに比べ、この環境が牛にとって健康につながるというのは直感的に理解できます。

実際に、発情兆候が見えにくい牛を放牧場に上げるとすごく良い発情行動が来たりしていて、放牧の効果を実感しています。

 

仮説②:雑草ロールの栄養価が高かった

親牛たちのエサとして安価な雑草ロールを使っています。

春先の雑草は栄養価が高く、高価な乾草と同程度という話もあるくらいですが、出産前後の栄養が必要な子たちに栄養価の高い雑草ロールを与えることができたのでは、、、と考えています。つまり、手に入ったエサと牛のコンディションのタイミングが良かったという仮説です。

 

仮説③:出産後に大豆かすを活用したのがよかった

母牛は出産後、子牛に乳をやりながら自分の子宮を回復させていかなければなりません。

↓ダブル授乳する「みはる」ちゃん

人間でも授乳中のお母さんが痩せていくことからも分かるように、この時期は栄養が大変必要とされます。通常の濃厚飼料に加え、高タンパクな大豆かすを活用したことで母牛の体調回復につながったのではないかと思います。

 

この仮説が正しければ、同じことを実践することで今年も同水準の成績を達成できるはずです。一年後 笑っているのか泣いているのか、、、一日一日を大事にして牛の世話をしていこうと思います。