「牛が山を駆ける牧場」奮闘記

新米 牛飼いの日常をお届け

牛の予防注射

生まれたての子牛は体が弱くて、病気にかかりやすいです。

特に注意しなければいけないのが下痢。

体が小さいので脱水症状になりやすく、最悪の場合 死んでしまいます。

 

子牛の下痢は予防方法がいくつかありますが、その一つが母牛への予防注射です。

 

注射をするためにつながれている「みはる」ちゃん。3月出産予定です。

予防接種のワクチンはこんなかんじ。1mlの液状の薬です。

注射器にいれて、腰のあたりの筋肉めがけてブスっ!

この注射を出産2週間前にもう一度 打つと母牛の体内で下痢にたいする免疫ができて、それが子牛に移行する、という仕組みらしい。「みはる」ちゃん、頼みます!

 

今日はこのワクチン接種だけでなく、ほかの牛にも治療をしてあげました。

というのも...

牛舎で飼っている母牛「たに」ちゃんが、子牛の飼育スペース 通称「保育園スペース」に入り込んでいたのです!

 

こういう時に何がマズいかというと、子牛に与えたペレット状のエサを大量にガブガブ食べてしまうことです。

牛の胃はエサの変化にすごく敏感で、大量のガスが発生して胃が膨らみ、気道を圧迫して窒息死につながることがあります。

私たちは半年前にこのケースで一頭子牛を死なせてしまっています。

もう2度とあんな思いはしたくありません。

手を加えてあげられるのは生きている間だけです。

 

そこで、ゲップを促進する薬を投与。その名も「ガストリン」。

こうやって注射器を使って口の奥で放出。

なかなか良い表情をするじゃないか...

 

こうやってイレギュラーなことがあると簡単に1時間くらい経ってしまうのでなかなか仕事が進まない!

やることが山積しているので焦りはつのるばかりですが、一つ一つ落ち着いて進めるしかありません。

丁寧に片づけていこう...