「牛が山を駆ける牧場」奮闘記

新米 牛飼いの日常をお届け

牛舎内の牛移動:より大きくなってもらうために

牛舎にいる猫は牛が好きです。

相手して~っていう感じでウロウロ牛の鼻先を歩き回ります。

 

猫がうろついている前のスペースを我が家では「保育園」と呼んでいます。

↓保育園の様子。

ここでは、だいたい生後2週間から3か月くらいまでの子牛を一緒にしています。

新入りの子牛は先輩の真似をして草を食べたり、体を大きくするためのご馳走(濃厚飼料といいます)の食べ方を学んでいきます。

この保育園システムを始める前は、濃厚飼料の味を覚えさせるために子牛の口に無理やりペレットを突っ込んで食べさせる、ということをしていました。しかし保育園システムのおかげで、人間が何もしなくても子牛たちはエサの食べ方をひとりでに学んでくれます。楽だし自然でいい感じです。

 

しかし、牛舎の糞出しが遅れ遅れになっていたせいで、保育園児だった子牛たちは小学生クラスのでかさになってしまったのです...!

小学生クラスと保育園クラスの牛を同居させると小学生クラスの牛が威張って小さな子牛は委縮してしまいます。という訳で、小学校ゾーンに進学してもらうことにしました。↓こちらが小学校ゾーンです。だいたい8か月齢くらいまでの牛を育てる場所にしています。

おがくずを引いてあげました。

運動場内で捕まえようとする私、逃げてやろうとする子牛。

これくらいの大きさになると人間よりずっと体重・パワーがあるので注意が必要です。

無事に捕まえました。

小学校ゾーンの特徴としては一頭一頭のエサ管理をするということです。体を大きくするための濃厚飼料の量を一頭一頭 調整しながら育てていきます。

こうしてスペースの工夫をしながら子牛を育成しています。

 

保育園スペースの方には脱走癖のある「ペコたろう」君を個室から移動させ、「さつき太郎」君とペアを組んでもらいます。「さつき太郎」、先輩として頼むぜ。

 

そんなことしながら山の牛たちの世話をしにいきます。

この子は「さつき」ちゃん。先ほどの「さつき太郎」君のお母さんです。

もうすでに次の子供がお腹にいます。優秀な子です。

足元を見ると季節の移ろいを実感するものが沢山あります。

これまで何もなかった場所に小さなクローバーが出てきています!

牛たちが牛糞を通してクローバーの種を運び、今までなかった場所に植物が生えるようになりました!

こちらは牧草の「トールフェスク」という草だと思います。

↓拡大

放牧場の醍醐味は毎年少しずつ地面の緑が多くなって、うっとりするような光景になっていくことです。その主人公の一人がこれら一つ一つの芽吹きです。

今年の放牧場はどんな様子になるだろうか...庭の手入れをするような気持です。庭というには巨大すぎますが。