「牛が山を駆ける牧場」奮闘記

新米 牛飼いの日常をお届け

「ふじ」がお肉になって町に帰ってきてくれました

先日 屠畜した「ふじ」を自分で直接お客様に届けたい!と思って取り組んでいます。

↓「ふじ」の出荷前の写真

今日は「ふじ」をカット・真空パックしてくださる「サンシャイン本山店」高橋さんと商品化の打ち合わせをさせていただきました。

↓高橋さん。本山町農業公社のページから拝借しました

高橋さんは精肉の責任者をされていて、土佐あかうしのお肉を扱う達人なのです。

ずっと以前から高橋さんに自分の牛をさばいて頂けないかお願いをしていました。

さばいて頂いたあとは精肉として自分でお肉を売るわけですから、商売敵のような形になるにもかかわらず、「いいですよ。」と牛をさばくのを快諾くださったのです。

人間が大きい。人生のお手本にしている方の一人です。

↓高橋さんについて詳しく知りたい方はこちらをチェックください

打ち合わせに入る前に高橋さんから「大島君の牛みてみましょう」と言っていただきました。先日、高橋さんみずからと畜場から部分肉になった「ふじ」を持って帰ってきてくださっていたのです。

今日はそんな「ふじ」のお肉の様子を書いておきたいと思います。

 

これはリブロースという部位です。背中の筋肉です。

最初から肥育牛として育てたわけではない「ふじ」ですが、ちゃんと、そして程よくサシの入ったお肉になってくれました。脂も白くてきれいです。高橋さんからは「お店でも普通に販売できる良い肉だと思います」というコメントをいただきました。

↓「ふじ」のカタロース

今回「ふじ」はお肉の格付けはしていませんが、等級で言うと「A-2」くらいになるそうです。自分は5等級(A-5みたいに表現される)のような霜降りではなく、3等級(A-3みたいに表現される)くらいに程よく脂のサシが入ったお肉を目指しています。

ふだんお肉を扱う方だったり和牛農家と情報交換をしていると、「本当は5等級より3等級の方が美味しい」というのをよく聞きます。

↓5等級のお肉はこんな感じです。霜降り!これはこれで美味しいです。


肥育農家は流通の評価にそって牛を育てなければ収入があがらないので霜降りの肉(いわゆるA-5みたいなやつ)を目指して牛を育てるわけですが、我々は直接自分でお客様に届けることを志向しています。

だから本当に美味しいと言われる「3等級」あたりが平均して出せるような牛づくりをしたいと思っています。

↓「ふじ」のサーロイン

「ふじ」のお肉を見て高橋さんは「3等級にかなり近い2等級だね」と言ってくださいました。

「ふじ」は我が家が理想とする形に近い形で帰ってきてくれたのです。

「ふじ」本当にありがとう。

↓右側が子供だったころの「ふじ」です

そして私に肥育を指導下さった師匠の秋山さんにこの場を借りて感謝申し上げます。

↓秋山さんもすごい人なんです!詳しく知りたい方はこちらチェックください

www.city.kochi.kochi.jp

「ふじ」のお肉をどういう流通でお届けするかはいま検討中ですが、3月上旬から消費者に直接お届けする形にできるのではと思っています。

「農家が直接お届けする」「幻の和牛」です。

ご興味のある方はぜひ手に取ってくださるとうれしいです。

 

↓最後の写真「ふじ」のヒレ(ヘレ、フィレ)